【昨今シネマレビュー】映画「エネミー・ライン」に見る、命がけの「逃走中」とは

映画

サングラスは追ってこない、追ってくるのは最強のジャージ男

「逃走中」の特番を久々に見たのですが、これを見るといつも思い出す作品が「エネミー・ライン(2001年米公開)」です。

サングラスのエージェントが追ってくるので「マトリックス」も思い浮かべるのですが、敵地から「逃亡する」映画として「エネミー・ライン」を思い浮かべてしまうのでしょうか。

今思えば10年以上も前の作品で、映画館では鑑賞していない作品だったのですが私の中では結構グッとくるものがあった作品なのです。

それではネタバレありの「エネミー・ライン」のストーリーをまとめましたので、ご興味ある方は下からどうぞ。
※未見の方やネタバレ嫌な人はスクロールしないでください。

あらすじ

ボスニアの停戦が実現したNATO軍。米軍は有事があった際に備えて、最高警戒態勢で空母カールビンソンを海上に配備させていた。
主人公のクリス・バーネット(オーウェン・ウィルソン)は有能なパイロットだが、転職を希望し、レイガート司令官(ジーン・ハックマン)に退役願を提出していた。


司令官から退役の本当の理由を問いただされると、監視活動や日課(点検や訓練)だけでなく「戦闘がしたい」という考えがあるからだと話す。相棒のスタックハウス(ガブリエル・マクト)からも引き止められるが、その意思は固い。


クリスマスも偵察飛行での任務になり、出撃するバーネットとスタックハウス。
順調に偵察任務をこなす2人だったが、非武装地域でのレーダー反応から偵察ルートを変更する。
上空からの撮影をスタートさせた際に非武装地域で配備された兵器や兵士達の姿が。

そのまま偵察飛行から帰還しようとした所で、突如地上からのミサイル攻撃を受けて被弾、2人を乗せたF-18機は迎撃され墜落してしまう。


間一髪パラシュートで脱出する2人だったが、スタックハウスは脚にケガを追ってしまう。
落下地点が山の合間で無線が使用できず、バーネットは山の上での通信を試みる為、スタックハウスを残して山頂へ歩き出す。

ケガで着地場所に待機していたスタックハウスの元に、偵察機を迎撃した敵の大群が押し寄せ、いかにも私がボスですと言わんばかりの将軍までも訪れる。
今回の偵察任務で写真を撮ったこと、パイロットが他にいないかを問いただす将軍。
何も答えないスタックハウスに背を向ける敵軍だったが、最後にジャージの男がスタックハウスの頭部に向けて発砲する。

離れた場所からその様子を見ていたバーネットだったが、スタックハウスへの発砲の際に声を発してしまう。
敵軍に見つかり、攻撃を受けるバーネットはひとまず敵軍を引き離し、空母カールビンソンへの通信に成功。
スタックハウスの死の報告と、救出の支援を約束するレイガート司令官。
地図を見ながら救出予定の地点を確認し、通信を終了するバーネット、すぐに救出ポイントへの移動を開始する。

救出作戦を進めていたレイガート司令官に作戦を取り消すよう指示が入る。今回の救出作戦が停戦調停に影響を及ぼす可能性があるからだ。
救出ポイントに到着し通信を行うバーネットだったが、当初の救出ポイントから更に離れた場所への移動をレイガート司令官より指示される。
通信途中での敵軍接近に通信を終了し、逃げるバーネット。

その状況がわからず、通信衛星をハッキングして、赤外線カメラでの違法現地偵察を行うレイガート。
司令官は意外と心配性だった。

泥の中に捨てられた死体の山に隠れて敵軍をやり過ごすバーネット。
この辺りから抜群の判断能力と機転を利かせた、彼の逃亡テクニックが次々と披露されます。

バーネットの救出作戦が出来ず、報道機関に現在の状況をリークする司令官。

報道は敵地でも流れており、躍起になってバーネットを探すことを指示する敵将軍。墜落機を解体しするも、偵察任務の際の録画機器などは発見されなかった。


引き続き敵地での逃亡生活を続けているバーネット。廃工場で見かけた子供の様子から、様々な所に張り巡らされているワイヤーと手榴弾のトラップを発見。素晴らしい観察能力。

そんな時に敵軍がバーネットを発見、追撃に向かうもワイヤーに引っかかり、辺り一帯のトラップを全て爆破して吹っ飛んでいく。
バーネットも吹っ飛ばされるが、何とか生き延びていた。その後、現場に登場したジャージ男は乗っていた爆弾トラップをピンポイント射撃で爆発させるという凄テク披露。コイツはチートキャラだな。

途中の通信ではいつもの軽口を司令官に吐き、ジャージ男の番犬のような追撃をかわして救出ポイントへ向かうバーネット、そして、ついに救出作戦に動くレイガート司令官。

途中ハッチという街へ移動する民兵の車に乗せてもらう。そこで出会った
街に到着した途端に攻撃を受ける車。運転手は撃たれ、車も横転してしまう。ここでもさらに逃げることになるが、今度は民兵にも問いただされるバーネット。
さらに敵軍の砲撃が始まり敵軍、民兵と入り乱れた攻防が始まってしまう。

激しい銃撃、砲撃後に敵軍の追手がバーネットの遺体を発見。
しかし、ジャージ男の遺体観察から、バーネットが別の遺体に軍服を入れ替えただけだと判明する。


刻一刻と迫る救出部隊の到着時間。救出ポイントへ急ぐバーネット。
ここで司令官にバーネットが死んだとの知らせが入ってしまう。逃亡で使った服が逆に利用されてしまうとは。


救出ポイントに到着したバーネットだったが、救出部隊にも後一歩の所で作戦中止の連絡が入る。
目の前で救出ヘリに置いていかれてしまう。

もうここまでかと思った時に目に入ってきたのは、山頂にあった石像。
脱出の際に偵察機の座席が落ちた場所だったのだ。
その場所に向かう事を決意するバーネット。

生き延びている事を知っている敵軍はジャージ男にも早く仕留めることを指示。
敵も多くの人々を虐殺した事実を世界に知られたくない為、バーネットと偵察機の記録は抹消してしまいたい。


座席墜落現場から、ビーコン信号の復旧を試みるバーネット。手動で作動させることに成功した信号はすぐに空母カールビンソンがキャッチする。


この信号はバーネットからのものだと確信するレイガート司令官だったが、NATO軍の司令部の許可を得る必要があると言われても今回ばかりは動じない。司令官解任と言われても、バーネットの命の方が大事だとすぐに救出作戦開始に動きだす。
これぞ上司の鑑ではないでしょうか。


座席に仕込まれた記録機器を取り出そうとするバーネットだったが、寒冷の地での作業で手が震えてうまくいかない。
ジャージの男の追手もすぐそばまで来ている。


そして、物音を立てず近づき座席の人影に照準を合わせるジャージの男。
救出部隊到着のヘリ音にしびれを切らして、動き出すジャージ男。銃を構えながら座席に近寄るがそこにバーネットの姿は無かった。


近くに潜んでいたバーネットが飛びだし、ジャージ男に初めての奇襲を仕掛ける。撃ちあう2人。
接近戦で揉み合いになりながらも、照明弾をジャージ男に撃ちこみ決着がついたが、すぐに敵軍の戦車、大部隊が到着してしまう。

砲撃をうけて逃げるバーネットだったが、そこにレイガート司令官率いる味方救出部隊が到着。


既にあと一歩の所で救出できる距離まで移動していたが、記録機器を取り戻しに敵の戦火の中に走って戻っていく。


援護する救出部隊。敵砲撃の中で記録機器を手に取り、救出部隊に無事引き上げられるバーネット。


ヘリの中で敵が狙っていた記録機器を司令官に渡し、自分が出した退役願の返却を求める。その場で退役願をバーネットに渡すレイガート司令官。退役願をその場でぐちゃぐちゃと丸めるバーネットも良いが、それよりも退役願持ってきている司令官がすごい。さすが出来る上司。


無事救出されたバーネットは海軍に残り、レイガート司令官は司令官の座を失ったが、管理部門の窓際に追いやられたらしい。
そして、部下たちに敬愛されながら引退したとのこと。そりゃそうだろう。


艦を去る姿がカッコ良すぎます。

エネミー・ラインの小ネタ

最初の空母上での隊員達とのやりとりでラグビーボールが流されていく「ウィルソン~!」のくだりは、前年(2000年米公開)に公開されたトム・ハンクス主演の「キャスト・アウェイ」が元ネタです。
同じセリフをトム・ハンクスが発するシーンがありますが、この映画を見ていた人はクスッとできたシーンだと思います。

序盤に登場した相棒スタックハウス役には海外ドラマ「SUITS/スーツ」の敏腕弁護士ハーヴィー役で一躍有名になったガブリエル・マクトも出演しています。

そして、今作で強烈な印象を残しているのが「ジャージの男」です。
「ジャージの男」とだけ聞くと相当弱そうなイメージかもしれませんが、かなり強い。
大ヒットFPSゲームの「Call of Duty 4」に登場する敵キャラの元ネタにもなっています。
こちらもこの「エネミー・ライン」を観た後にゲームで遊ぶと口元が緩んでしまいます。

救出ヘリが目前で去っていくシーンも「ランボー/怒りの脱出」を彷彿させますね。

まとめ

色々な要素が詰まっているこの「エネミー・ライン」ですが、今作のヒットのおかげで続編4作も出てます。
続編の方は未見ですが、「エネミー・ライン3」にはマイクパフォーマンスで名をはせた元WWEスーパースターのミスター・ケネディも出演していたりします。

冒頭から序盤にかけてはゆったりした展開ですが、偵察機墜落~逃亡劇に入ってからは手に汗握る展開で気が抜けなくなります。
結構前の作品なので未見の方も多いかもしれませんが、そんな方には是非オススメしたい作品です!!

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